映画 CASSHERN 考察について、トラネコさん主催のページ

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"独断と偏見によるベスト5"
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Film

CASSHERN
 │
 ├CASSHERN 1.
ちょっと加筆(9.18)
 │
 └CASSHERN 2 

に興味深い考察があります。


<関連する主な内容>

 『 I : 稲妻モノリス【通称】は、一体何をしたかったの?』 については、
 "CASSHERN 1 ブライたちが遺したかったもの"
に、

 『新造細胞を含めた超越的存在が何をしたかったのか』 については"、

 "CASSHERN 2 意識を持つ新造細胞"

が、それぞれ近い内容を扱っています。



A :鉄也はいつ死んだ?

   
まず、鉄也が戦死した年月を求めます。
   彼が戦死したのはミドリに戦死を告げに来た軍人の言から、
   「9月16日」
   であることがわかります。
   これは少し強引な仮説ですが、あの世界が監督のいう、
   戦争が終わらなかったもう一つの世界という世界観からみて、
   未だ 紀元節(*)をとっているだろうと思われますので、
   「ミッチー内藤」の発言の、  
   「泥沼の50年はあまりにも長すぎた」から、 
   亜細亜連邦の戦争は少なくとも50年間掛かったことがわかります。
  
   監督は「もう一つの戦後50年」という趣旨のコメントをしています
   ので、この基準点は我々の世界での1995年であると推察されます。
   < (昭和20年=西暦1945年)+50年 >

   ちなみに我々の世界でのソビエト連邦参戦は1945年8月9日、この
   世界でのアメリカ合衆国がどのような状態かはわかりませんが、
   おそらくヨーロッパ連合の一部(植民地のままか、連合体の一部)
   となっている可能性が高いです。
   ですから、内藤の発言からみて、この世界での50年前の亜細亜國
   (まだ連邦ではない)は

 
   イ.1941年の「真珠湾攻撃」に始まる太平洋戦争は行っていない、1945年辺りで
     それまでの日華事変から続く泥沼状態から、更におそらくはヨーロッパ連合の
     同盟にあったロシアに向けて侵攻し、同連合との戦争状態に入った。

   ロ.1941年に真珠湾攻撃はしたが、緒戦の勝ち戦の際に、亜細亜國の当時の国力
     を考え、また将来ヨーロッパ(の連合であるロシア)への参戦を睨んで停戦した。
   
   のいずれかであると想像出来ます。

   次に、この「CASSHERN」の世界が我々の世界での1995年に
   当たるという仮説を根拠にして話しを進めます。

   我々の世界では、皇紀2600年を旧軍部が戦意高揚の為に祝った
   のは昭和15年(1940年)のことです。
   もし、CASSHERNの世界がこの分岐からそのまま軍国主義のまま移行した
   とすれば、

   我々の世界の戦後50年こと1995年は
   1995年−1940年(皇紀2600年)=55年間となり
   1995年は皇紀2655年となります。
  
   ですから鉄也が死んだのは皇紀 2655年 9月 16日だろうと推測されるわけです。
 

    *明治5年(1872年)太政官布告第342号。紀元を定める布告である。
       これにより、その元年を初代天皇、神武の即位年を紀元とする、いわゆる皇紀が定められ、

       元年は『日本書紀』の記述に従い、「キリスト誕生紀元前660年」とされた。
       つまりこの年代はあくまでも神話に基づくもので、歴史学的にはほとんど信憑性がないが、
       明治政府には真実云々は関係なかった。
       なぜなら「皇紀」が必要とされた最大の理由は、当時の日本人に、国の誇りを持たせてやる
       ことにあったのだから。
       日本は少なくとも歴史と伝統では欧米に負けない! 
       そういう国民的矜持を確立するには「皇紀」は「キリスト誕生紀元」より前でなくてはならず、
       『日本書紀』が折り紙をつけてくれる年代は、そのためまことに都合がよかった。
 

B: 映画当初にミドリが観たのは「鉄也の霊」と解釈していいの?
   ブライはなぜ「鉄也」の霊が見えたの?

   
エフェクトを掛けて「亡霊」のように見せる効果がなかったので、わかりにくいけど、
    そのとき、既に鉄也は死んでいたわけだし、霊というか虫の知らせと考えるのが妥当。
    敢えていえば、盲目のミドリにとって実体そのものに思えた?


C: 再生したばかりのブライに、なぜ霊体(?)の鉄也が見えた?

   (イ)説
     それが新造人間の能力だから

   (ロ)説
     鉄也は曹長であった前世(?)第7管区の少数民族の女性
     (後にブライの再生前の人間時に妻であった人物 「らしい」 と判明する)
     を射殺しており、肉親を殺された憎悪を記憶の奥底で、ブライが覚えていた為。

     * おまけ・小説版より再生途中のブライと、死んだ直後の鉄也(の霊)の
     遭遇遇部分抜粋

      「その瞬間、ふっと誰かの視線を感じた。(鉄也が)顔を上げると、
      そこには1人の若い男がいて、鉄也をにらんでいた」
      「熱い、炎のような瞳だった。生から解き放たれた鉄也とは対照的に、
       燃えるような生命そのもののような瞳をしていた。
      だが、その瞳の中の荒々しい炎とは対照的に、男がまとっているのはただの汚い布きれであった」
      − 出会うはずのない出会い −
      だが、鉄也は確かにその男と視線を交わしている。
      「その男の瞳には、不思議な快楽を感じさせるものがあった。
      ある意味、視線を使って鉄也とその男は交わっていたと言ってよい」 
      「誰だ!」  
      鉄也が思わず口を開く、だが、鉄也はすでに言葉を失っていて、
      唇がむなしく開閉するだけだった。


D: あの世界の位置関係はどうなっているの?
   ブライ達は城に着くまでどれくらい歩いたの? 

   
ブライ達の逃避行経路を地図で示してみました。
     *原図「CASSHERN」パンフレット資料編より拡大(最大望遠)




    これに画像処理ソフトで処理した、実際の地図を当てはめてみます。
       

              

              
    ・ 一番右で表示された画像の部分が上條将軍の重工業都市(帝都の1つ)推測位置
      カマ川と接続するウファ川沿い、
ロシア連邦内「ウファ」から方位173度(南東)に238km、 
      「ロシア共和国」表示のすぐ上の「 □ 」の地図記号の都市「オレンブルグ」から
      方位45度(北東)の144km


    ・ 真ん中の
で表示されたウラル川上流の「オラル」上部に画像で示したのが、
      「第七管区」推定位置。
      おそらくは守護神「キャシャーン」の像の位置も、この地域の外周にあるはず。

    ・ 一番左の
文字及びブライ(城の元の主)の紋章で示した位置、
      ボルガ川上流の丘陵地帯、上條将軍の都市から各種川沿いに
      「サマーラ」と「サラトフ」中間地点を西に進んだ先が
      ブライ達が辿り着いた城の推測位置。



       観光ガイドより、上條将軍の都市付近「ウファ」近辺の要目

         ・ 1月の平均気温 氷点下14度から17度
           (400m程度の標高でも晩夏から雪が降る)
         ・ 7月の平均気温は摂氏16度から20度で、乾燥している
           (真夏は半袖でも可)
         ・ 夏冬の温度差は30度から37度ある。
         ・ 菩提樹が多く植生していることで知られる。
         ・ 石油・天然ガスの埋蔵量はロシア屈指の量(第一位)
         ・ 東部ウラル山岳地帯で、鉄・マンガン・銅・亜鉛・金の採掘
         ・ 南西部には炭田あり 
         ・ 工業生産力はロシア連邦で第十位
         ・ ウファ付近の土壌汚染はソビエト連邦成立前後の
           1920年代(皇紀2580年)辺りから深刻化

    まず、出発点は上條将軍の重工業軍事都市(北緯52度30分線上)ということになります。
 
    ここがどこに当たるか?
    一番上の地図は不鮮明ですが、映画のパンフレットの地図です。
    これを我々の世界と同じ地形とみなして、重ね合わせ、推察してみます。

   パンフレットの基点を現実の我々の世界地図(ロシア方面)に照合してみます。
   そうすると、西アジアから中央アジア〜ロシア付近の地図につながります。
 
   まず、上條将軍の統治する都市はウラル山脈の麓(ふもと)付近にあると思われます。
   工業には大量の水が必要です。
 
      この場所にはロシア連邦カマ川の支流「
ウファ」(UFA)川があります。
      また高原であり、工業都市には最適とは言えないのですが、
      護りを固める軍事都市兼用としての要素を考えると基準は満たしています。
 
   ここからすぐ北側には標高1500m前後のウラル山脈があります。(雪山のシーンはこれ?)
 
   日本で、この程度の標高は軽井沢に相当しますが、
   オレンブルグから
サラトフ間は625km、ウファ(UFA)付近から山脈まで直線距離で約246km
   もあります。
   実際に徒歩距離はこれより増えた可能性があり、
   20日から1か月以上もの逃避行になったはずです・・・ 

   問題はここからどう行ったかです。2つのルートが考えられます。

      イ:一番近道な南廻りに「平地に降りて」靴や水と食料を川沿いの村から補給しながら西へ逃げる。
         (ただし平地で隠れるものが少なく、かつ目印が多く、亜細亜連邦のヘリにも見つかり易い!)

      ロ:ウラル山脈の西側の丘陵地帯を北廻りで迂回して西へ逃げる
         (追手から逃れる為とはいえ、病人を抱えて、更に困難な旅になったかと思われます)

   菩提樹などが劇中での亜細亜連邦のミドリの植物園などにあり、彼女が助手の池上さんと
   植物相を調べるシーンがあったので、(葉の鎖状組織が選択的に破壊されています:池上助手談)
   地域的には、植生でほぼこの辺り(ウラル南部)ではないかとの状況証拠にもなるのでしょうか?


  いずれにせよ、地図もなく、潜在意識の第七管区や伝承の微かな本能的な記憶(アカシック・コード)を
  頼りに行くわけですから、その困難さは想像を絶します。  

  目印に尾根や川や山を目印にすれば幾分楽でしょうが、同時に亜細亜連邦の追手にとっても見つけ易い
  ことになり、距離の近い方を取るか、追手からの安全を取るか、どちらのルートで逃げたかの確定は
  困難です。

  これら全てを徒歩でと考えるのは困難で、小舟を使って川を利用することも必要になったでしょう。

  いずれにせよ、第七管区経由で行ったのは間違いないですから、

  さて、上記仮説に基づき上條将軍の工業都市を
ウファから南東の地点にあったとすれば、
  そこから第七管区までは真西に約328kmあります。
   (管区直前は平地で、徒歩で移動可能です)

  ここ第七管区は、現在の我々の世界では「カザフスタン」との国境付近にあたります。
  ウラル川の上流で人が住むには(大陸気候にしてはまだ)上條将軍の都市より適しているでしょう。

  さらに第七管区から、真西に約224km、
  ロシア連邦「
サラトフ」と「サマーラ」を結んだ中間地点を
  さらに西に向かって、ボルガ川沿いに進むと、ある丘陵地帯に到達します。
  ここはカスピ海より流れるボルガ川の本流の上流・川沿いにあります

  パンフレットの地図と照合する限り、ブライ達がたどり着いた城は、
  ここに相当するのではないでしょうか?
 
  川沿い、かつ丘陵のこの地域は城を築き、敵の攻撃を阻むには都合がよいでしょう。
  また川に近いということは、地下に大規模な生産施設を建設するにも好都合です。
  丘陵そのものは生産施設に最適ではなくても、「城」の用途も考え、
  かつ資源や部品工場となる都市が
  近辺にある(サマーラ、サラトフ)ことまでも考慮すれば、バランスが取れた拠点です。
 
  ちなみに第七管区からブライ城までおおよそ368kmあります(方位は269度真西)

  もっとも劇中を見る限り、あの城にあったのは最終組み立て工場だけのようですから、
  城の生産設備だけでは不足で、少なくとも他の設備への地図情報があの城にあって、
  アクボーン達はそこにも拠点を築城したと考えないと不自然ですが・・・
  そうなると「
サラトフ」と「サマーラ」も川沿いで工業施設には好適地と言えます

  このように、
  ブライ達の逃避行は最短の南廻りでも、600kmあまり、北廻りに迂回すると800kmにもなり、
  東京から北海道間(札幌)間の距離は優にあります。
  追手の目の届きにくい距離なのかもしれませんが、いづれにせよ、川を利用して距離を稼ぐか、
  車の奪取や、鉄道への密航も考えないと移動は困難です。
  また、全てを徒歩と考えると、2か月以上もの逃避行で、ブライががんばって行程をずっと
  ミドリさんを背負っていたとみなしても、長距離行に彼女が耐えられた可能性は更に低くなります。
 



:  目が疲れて覚えていない方へ、最後のシーンについての描写と意見
    「きしゃーん」 さんよりのお便りからです!!
 

    
あれは最後に「希望」という事で、
     死んだ人たちの「望み」が映像になってると思われます。
     でないと 、

       ・  ミッチーが空を見ながら泣いていた
       ・ 上条中佐が階段を上条将軍をおんぶして登る
       ・ ブライ家族がみな幸せそう
       ・ ミドリと東博士が子供の鉄也を連れて野原で散策

     などが説明できません

     そのシーンの中で、要潤(バラシン)が、医者の先生の隣で、薬を調合する
     ようなシーンと、その横で、佐田真由美(サグレー) が彼らをじっと見てる
     ようなシーンがあり、生前の世界では二人が恋人同士だったような事が
      匂わせてあります。

     多分そのつもりで映像にしてます。
     だから第二の死の間際で「そうだったのか」とにっこりする訳で・・・

     ちなみに要潤(バラシン)は医者の先生の息子だと思われます
        (死んだ顔を先生が覗き込む&一緒に写真に載ってる映像あります。)



   F: 「 導入編」の「新造人間についての質問1」から、人間の時のことは、本能的に覚えていてたのでは
     ないか的な意見がありますが?


     これについて私(優衣)なりの仮説を挙げてみました。

     まず、人としての対人接触記憶や自分が何であるかの情報は、
     大脳の特定の脳領域に格納されてます。
     これははたとえば、

     「自分はAという国家の○○にいて、親は○○で恋人は××で・・・」
     というような内容を指し、前頭葉の一定の脳領域に入っています。


     その一方で、ビンのフタは「廻せばよい」、車は「キーがついてればエンジンが掛かるし
     クラッチの操作が必要で一速は?」、
      「○○という薬品は防腐剤だ」

     等のデータは、いわゆる知識データとして、大脳の側頭葉に格納されるという仮説があります。

     作品を観ていると、新造人間達は脳の一定の領域の記憶へアクセスを絶たれているように
     思われます。

     パソコンでいうと、HDDストレージ(記憶領域)は存在しているけど、
     入り口となるディレクトリ(索引・インデックス)が消失していて記憶にアクセス出来ない為に
     「特定の記憶(自己同一性=アィデンティアイ)」が無くなっているかのように見えるような気がします。

     ですから、死や強い衝撃を受けた時に、この索引が見つかったり、又は再び活性化すると

     「見えた・・・そうだったのか・・・・」

     となるわけで・・・・

     大学で学ぶような(臨床心理学&神経学)少し専門的な用語を使いましたが、
     私は記憶の性質について、上記のように考えています。




G: 亜細亜連邦の研究所や、ラストシーンの砲兵の照準鏡にあった「壱」、「捌」とかの漢字は何なの?
  数字のようにも思えるけど、「一」や、「八」とかの漢数字とどう違うの?




  亜細亜連邦で使われていた漢数字は、いわゆる当て字で、 大字といいます。
  会社で経理などをしている方なら「金 弐拾参萬伍千園 也」などという記載を見かけたことでしょうか?

  そう、これは本来数字としての漢字に別の字を当てたものなのです。

  大字(だいじ;大写daxie)

  漢数字の代用として「当て字」として使用される数字(記号)の一種です。
  大字に用いられる字は定まっていて、元の漢数字とは「音が同じ」で「意味が異なる」
  重複しない漢字を転用してます。
  字の改竄(かいざん)を防ぐために専(もっぱ)ら戸籍や会計の分野で用いられ、私たちの世界では
  一般的レベルでは、まず使いません

  例えば「一」の字には、後から「h」を書き加えて「十」にするなどの改竄(かいざん)が可能です。
  けれども、「壱」の字にはそうした偽造はやりにくいのは、皆さんもお分かりかとは思います。

  また、複雑な字にして荘重な印象を与えるために、形式ばった文書で用いられることもあります。

  <長所>
  1: 斜めや逆さにみても、アラビア数字(記号)のように「6」を「9」に間違ったり、
     「0(ゼロ)」と「O(オー)」を間違って読むことが少ない。 
  2: 先に述べたように勝手に数字を足したり、記号を加えて改ざんされにくい
     (「1」を「10」にするなど)


 <短所>
  1: 漢字そのものの短所と同じで、アラビア数字と違い普遍性がない。
  2: 漢字の短所と同じでたとえば、航空機の計器板など、めまぐるしく動く情報を読み取る必要が
     ある場合に熟練していないと時間が掛かる。(視力も負担を掛ける)
  3: 表意文字である以上、画数が増えて、ドット数が掛かるので、電子的にはハード・ソフト面
     共に負担を掛ける。 
    (アラビア数字なら3×5ドットで済むのに、2バイトコードの漢数字だと十倍以上の情報が必要!)


 では、なぜ亜細亜連邦が数字を漢数字、しかも大字で表記するようにしたのでしょうか?

 ・ 民族優位主義を抱える全体主義国家であるため、世界統一及びヨーロッパ連合(アラビア経由)の文化である
   アラビア数字を使うわけにはいかなかった。

 ・ テロや、涜職(とくしょく)、汚職などテロなどの政情不安が続いている為、
   文書を改ざんされることを恐れていた。
   そのため、本来は必要ない兵器やモニターの表記に到るまで大字を使うことで、
   「連邦」国家の統一を図ろうとした。

  敢えて複雑な字体や漢字多様の文国語を制定したことは、占領した植民地(表向きは共栄圏)の臣民に
  「公用語」である日本語(及び統一漢字)を普及させるのに、 大きな困難となったことは想像に難くありません。
  また、エレクトロニクス分野、特にソフトやモニター表記にも大きな困難が発生し、このことが科学技術の偏りに
  も影響を及ぼしていると考えられます。
   


漢数字 大字
1 壱(壹)
2 弐(貳)
3 参(參)
4
5
6
7
8
9
10
20 二十 廿
30 三十
100
1000
10000


  詳細については、ウィキペディア(百科事典)のホームページから「漢数字講座」
  http://www.akatsukinishisu.net/kanji/kansuji.htmlを
  開いてみてはいかがでしょうか?

  執筆者の皆様方への敬意を表して、直接リンクを貼ることはしません。
   興味のある方は是非とも訪れてみてください。




H: あの世界の科学や文明のレベルは、私たちの世界と比べてどうなっているの?
  なんだか、ブライ達のロボット兵器達や、エアシップとかとってもオーバーテクノロジなんですけど?



 ・ 亜細亜連邦について

  非常に偏った科学分野の進化を遂げているように思います。
  おそらく、生物・化学兵器などが実戦で使われたことが何度もあり、
  汚染された世界であるらしいということ。
  このことへの対策として、生物・化学・医学(ただし、傷病や中毒治療分野に特化)
  分野には大きな予算が振るわれたことと思います。
  成果は別として、冒頭の保健省会議に将軍自ら出席し、あれだけの会場があてがわれることから
  力の入れようは想像できます。

  一方、電子技術については、現代(2000年代)の私たちよりもかなり遅れていて、我々の世界の大戦
  前後(1941年−1945年)からさほど進歩していない様子が伺いしれます。
 
 
 おそらくアメリカ合衆国のように多数の技術者(科学者でなく)が議論しながら、並列的に開発を進める
 土壌である企業競争(採用競争)がなく、工廠や研究所での寡占・独占開発が電子技術の民生化と、
 それに伴う相乗効果を生み出さずに進んできたのでしょう。
 軍用の携帯電話はあっても、民需は古典的な固定電話機しかなく、道路は戦争で未発達で市街地以外では
 普通のロード使用の車は使えず、また乗用車も官用や御用企業用で個人には普及していないようにみえます。


 

  爆撃機はどうみても、空力だけでなく、それ以外の浮揚(反力)機関を使わないと、飛行できないような
  デザインでしたが、その一方で、機首に上條将軍の顔を帆船のヘッドフィギュアよろしく固定装備
  していたり(飛行特性が著しく悪化して、精神的威圧以外の意味は見あたりそうにないです)航空力学や
  機能合理性とはかけ離れているように見えます。

  
  
右は私たちの世界で1960年代に開発されたクレーンヘリコプター
シコルスキー「CH−54」スカイクレーン(軍用型)


  一方、ブライ達の側(それが、ヨーロッパ連合のものか、それとも別の文明又は過去のものかは不明)
  に至っては、およそ空力とは無関係なかたちの物体が飛んできています。
  特に、ロボット兵については、元の持ち主についていえば、
  亜細亜連邦とは比較出来ない位、電子技術的に優位な「製品」です。

ブライが研究所まで乗り付けた飛行母船


  
火炎放射ロボットの稼働画面

  これらを「オーバーテクノロシ−」だから「ファンタジ−」だからと一笑に付すのは簡単ですが、まじめに
  分析すれば、少なくとも次のことは言えます。


  1: 亜細亜連邦も、ブライ達が見つけた「城」とその周辺の地域の科学技術も、揚力はもちろん、それ以外
     のかたちで物体を飛ばす技術を持っている。(原理不明)
  
  2: 少なくとも城の技術は亜細亜連邦より数段先を行く技術で、特に、エレクトロニクス(ロボットに使用)
     や電子頭脳等の集積回路(たとえ失われた技術だとしても)バイオリンク(新造人間達が着用した
     プロテクト・スーツのロボット達への命令機能)
などは亜細亜側には体系的にはない。
     (鉄也のスーツには倍力や各種機器へのリンク機構はなく、防護のみの用務で、体温調整の空調も
      なく、その重量を支えるのは鉄也の筋力に頼っている)


  このようなことを「プロジェクトX」的に技術史や技術考察の面で観ていくと、またこの作品の異なる側面が
  見えてくるのではないでしょうか?



 I: 稲妻モノリス【通称】は、一体何をしたかったの?

 下記の掲示板でのやりとりを以って考察と換えさせて頂きます。
 これが絶対の答えではありません。皆さんも考えてみてください・・・

稲妻モノリスについて考える
名前:KYASYAN    日付:2004年 6月4日(金) 21時39分

題名のとおり稲妻モノリス(以下:モノリス)について考えたいと思います。

まず、モノリスは何なのかということです。
僕の考えでは、ラストでキャシャーンが「裁きを下す者」といっているところから僕たちのいう「神」つまり
モノリス=裁きを下す者≒神
または、キャシャーンの像が右手に持っていることから
神の道具、または一部と考えることもできます。

また、その力の大きさを考えるとキャシャーンのいた星から地球と思われる別の星へと魂を開放していることから全宇宙にまで力が及ぶほどの力があると思います。

では、神が何をしたかったのかということですが
1:最初に新造細胞を活性化(?)させブライたちに復活のチャンスを与えました
2:ラスト近くでキャシャーンをブライたちのところに運び役目を終えたように崩れ去る
3:最後に別の星へ魂または新造細胞を下ろす

結局、神は何をしたかったのかがわからず、矛盾すら感じてしまいます。これについての意見をお寄せください。



Re: 稲妻モノリスについて考える
名前:遠い海から来た優衣&コレクター・アイ(訂正者愛)    日付:6月4日(金) 22時27分
今日帰宅して、管理者二人で私たちの県での見納めとなる上映を観た後で、一緒に考えてみました。

−稲妻モノリスは何か?−
−どういう意志を似て彼等世界に介入したのか?−


私たちの統一見解をここに記します。

1:稲妻モノリスは何か?

少なくとも~のような存在ではないと思います。敢えていえば、高次元
の生命体もしくは何らかの力をもつ意志の集合体と私たちは考えます。

その理由としては
・監督自ら「80年代のあるアニメにインスピレーションを受けた」と 語っている。
・更には、その行動が独善的・恣意的で、あまりにも一般に私達が考える「~」のような存在とは
 かけ離れているからといえます。

ここで、ネットや各種の掲示板で「その作品ではないか?」と言われている、
「イデオン−発動編−」の高次元生命体「イデ」についての主流な見解を紹介します。


【次の記事へ続く】



SPACE RUNWAY IDEON【伝説巨~イデオン】

物語

地球人が宇宙へ移民を始めた未来。移民先のソロ星で古代文明の遺跡が見つかった。発掘されたのは巨大ロボット・イデオンとその母船。

イデオンを作った古代文明人は、そのシステムをコントロール出来ず、イデオンを起動した瞬間に全ての人間が意思を吸い取られて絶滅した。

やがて、このとき集められたエネルギーの集合体は自ら意思を持つ“イデ”となった。知的生命体が滅んだことでイデの力を利用する者がいなくなり、イデは生物が再び知的生命体に進化するまで休眠状態に入る。

少し引用が長くなりました。私たちも、あの世界を救うなら、人智を完全に超越した本当に~とも言える存在なら、もっと早く介入すべきだったと思います。

以下次の返信にて 

−どういう意志を似て彼等世界に介入したのか?−

について書きます。




以上のような理由から、私たちは稲妻に「モノリス」【2001年宇宙の旅】のキーワードを稲妻に対して接尾語で
使うことからわかるように、稲妻モノリスを

「人類の社会に介入して警笛を鳴らす意志を持った、何らかの高次元の存在をもった生命体」と考えます。

1’−なぜ、ブライ達を復活させたのか?−
当時、亜細亜連邦は辛勝とはいえヨーロッパ連合に勝利しながらも、
生物・化学兵器の濫用による臣民の新生児の奇形発生率が60%
に達する遺伝環境汚染に苦しみ、更には破壊された自然環境は
様々な分野に弊害と人心の荒廃をもたらしていました。

さらには「民族優位主義」を掲げる亜細亜連邦の臣民化政策は、文化・言葉
の異なる地域・民族を【共栄圏】の名のもとに強引に結びつけようとして、
戦後も多くの地域紛争と、血を血で洗うテロ報復を生んで、
憎悪と悲しみと殺戮の混乱を生んでいました。

おそらく稲妻モノリスたる生命体は、このような状況を憂いて、
彼らの世界に新造人間という形で警鐘を与え、できるならば、
彼らオリジナル・ヒューマンたる新造人間がこの世界の誤った方向を
是正してくれることを願っていたのではないでしょうか

-この時点では-

以下さらに続きます



2:ラスト近くでキャシャーンをブライたちのところに運び役目を終えたように崩れ去る意味

稲妻モノリスの期待とはどのようなものだったのでしょう?
それは、まさに後半のイメージシーンでのミドリの鉄也に対する言葉そのものだったのでしょう
「争いを収めなさい!」

しかし、サグレー、バラシン達をはじめとする新造人間もまた、
稲妻モノリスが期待するようなことを実行できませんでした。
死の間際に【死を以て】人間の業じから解放された魂というカタチ以外では・・・・

最後まで生き残ったブライ、彼もまた、憎しみの連鎖から逃れることは出来ませんでした。
   「しかし私の憎しみは、子供が親を愛すると同じように深い。
    その憎しみが私を蝕み滅ぼそうとも、私はその憎しみを開放することはできない。」

このような状況をみてとった稲妻モノリスは、鉄也を弟であると認識したブライの許に、
その力をもって鉄也を連れていき、 その考えを改めさせるか、さもなくば、
鉄也そのものにその役割を期待したのではないでしょうか?


<以下次に続きます>



3:最後に別の星へ魂または新造細胞を下ろす

これについて、私たちはこのように考察しました <あくまでも私論です>

−稲妻モノリスがせっかく新たな命を与えたのに−

結局、ブライもまた亜細亜連邦と同じように、人間と新造人間とを分け隔てなく考え、
争いを収める存在にはなれず、上條中佐と共に滅んでしまいます。

−私には、見えぬ、何も見えないぞ−

これは本当に人間だった時の記憶が見えなかったのでしょうか?
それとも人間であった過去を認めたくない想いがそうさせたのかは分かりません

しかし、期待を込めて新造人間を放った「稲妻モノリス」の失望は大きかったのでしょう。
もしかしたら罰を与える為に、敢えて人間の時の記憶を奪った可能性もありえます。

あの巨大ロボットの爆発からバリヤーのような障壁を出して鉄也を保護した稲妻モノリス。
鉄也ことキャシャーンも事態を収めるにはあまりにも無力でした。


東博士
  「おまえは、愛する人を失うということがどういうことかわからないようだな」
  「わからせてやろう!」
 もしかしたら、鉄也に改めてその役割を期待したのかもしれません。

東博士がルナに対して発砲した事実に対して、父殺しをした(であろう)鉄也

けれども鉄也はあまりにも恣意的な稲妻モノリスの、その超越意志に疑問を
感じざるを得なかったのではないでしょうか?

このとき、ついに稲妻モノリス、彼(彼女?)又はかれらの意志集合体た高次意志生命体は、
この惑星での人類の矯正をあきらめ、
一部の者達を他の原始惑星にて生物のスープ【進化論用語です】として産み落とすことで、
進化のやり直しを図ったのではないでしょうか?

 少し長いですが、鉄也の転生へと旅立つ前の言葉を引用します。
 <この言葉はあまりにも印象的で、私たち、特に「優衣」方を映画館に
  何回も足を運ばせる理由の一つでした>

−裁きを下す者よ、あなたは間違っている−
−ぼくらはただ、存在しているわけじゃない、共に夢見ることをできる力を持っているはずだ」

−はじまりは小さなものであるかもしれない、不可能に思えるかもしれない、 
  でも、ぼくらはまずここから始めるしかないんだ・・・・・・
  でもそれは決して難しいことじゃないんだ・・・・− 

 「希望、それが俺とルナの子供だ・・・」








 J: ブライ城攻略に使った大型カノン砲はどうやって運んだの?


 まずカノン砲は以下の場面に出てきます。
  最後付近で、ブライ城拠点を砲撃したカノン砲は第一撃でブライ城のを砲撃・大破させましたが、上條将軍の
  現場より帝都優先の目標設定により、次発装填発射前に、ブライ側の最終兵器の(自爆ロボ?)により全滅。

  このカノン砲、口径がどれだけあるかわかりませんが、仮に我々の世界の最大の陸上砲である列車砲の
  解説を掲載しておきます。
 
列車砲グスタフ/ドーラ
   史上最大の陸上兵器、800o超重列車砲グスタフ、ドーラは1935年、陸軍兵器局の示唆によって、
   難攻不落のフランス軍マジノ要塞攻略用としてクルップ社が考案。
   この時、クルップ社では700mm、800o、1000mmの大口径砲を設計したが、
   翌36年にヒトラーがクルップ社を訪問した際に設計が優れていた800o砲が選択された。
   三門の製造が計画され、一番砲はクルップ会長の名をとってグスタフ、
   二番砲は設計者ミューラー博士の妻の名をとりドーラと命名されたが、三番砲は完成しなかった。
   この巨砲は4.8tの榴弾で射程47000m、7.1tの徹甲弾を使用すると射程は37000mであった。
   発射速度は15分に一発であり、発射の反動は5軸10輪の台車8台で駐退復座装置とあわせて吸収した。
   技術上の問題から、完成は遅れ、予定の1940年に間に合わず1941年に完成した。
   当時史上最強と謳われたセバストーポリ要塞攻略作戦に超重攻城臼砲カール、ガンマとともに参加、
   セバストーポリ北方16q地点のクリム半島南部のバフチサライの複線路上に据えられ、
   要塞の7つの主要目標に向け5日間連続して48発の砲弾を撃ちこみ、スターリン要塞とモロトフ要塞へ8発ずつ
   命中し、他に断崖下30mの「白壁」弾薬庫を爆砕した。
  輸送は、分解された後、特殊な3編成の貨物列車により行われる。
  また、砲の部品の他に、組み立て用の25トンクレーン、専用動力供給車(MAN社製1050HPディーゼルエンジン搭載)
  なども同時に輸送される。輸送組立要員は1500名、輸送に要する期間は3〜6週間、組立てに要する期間は3日間である。
●運用・編成
 1番砲グスタフの列車砲部隊(R・ベーメ大佐指揮)は、砲指揮所、管理部隊(保守・点検・修理などを実施)、射撃部隊
(350人)を含めて砲の運用要員は500名である。この他に、
情報・偵察・観測部隊、組立・撤去部隊、対空2個大隊、警備部隊など、合計で4100名もの将兵が従事していた。


 


ドイツ国境に布陣していたフランスの要塞等の粉砕を目的として製作されたもの。1937年6月に発注、1940年5月に走行試験が開始され、開発に関わったカール.ベッカー将軍の名前から『カール』型と名前が付けられた。全て60cm臼砲を搭載していたが、射程延長の必要から54cm口径砲身に交換可能なようになっていた。初陣は1941年のレンベルグで第628重砲兵大隊配備の1〜4号砲が参加、1942年には有名なセバストポリ攻略戦に80cm列車砲「グスタフ」と共に参加、その後はこれら1〜4号砲は第833重砲大隊に配備替えされている。他は5〜6号砲が1944年8月にワルシャワ戦に参加したのが知られているが航空優勢を失って以降は活躍が少ない。1940年11月〜1941年8月に6輛が生産され各2輛により1個中隊を形成していた。各砲に名称がつけられていて1号から順番にアダム、エバ、トール、オーディン、ロキ、ティウと命名されていた。


後期540mm型要目 口径長:11.5、最大射程:10500m、砲弾:Sbe重徹甲榴弾(重量1600kg)、装薬:57kg、発射速度:6〜8発/hour

 これだけの重量のものを、肉眼限界の射程40km内に配置するには、列車砲の型式か、
 又は分解して巨大列車で運ぶ他はありません。
 あの世界では、電子技術の進歩があまりないようなので、ミサイルのない世界では未だこういうものに
 頼る他は内でしょう。
 あの世界の鉄道が、私たちの世界の鉄道と同じであるという保証は何もありませんが、一応、準ずる
 ものとして話を進めます。

 下記はシベリア鉄道及び大陸横断鉄道の全図です。これでは小さくてわかりにくいので、次にブライ城
 該当部分を拡大したものを更に下に掲載します。
 
 参考 (シベリア鉄道・バム・モンゴル・南ウラル・トルキシタン等全図は下記)   
下記のサムネイル画面をクリックすると、 全図が閲覧できます。
 
 
 
上記のリンク先拡大図では、スクロールが必要で、イメージや
 位置関係をつかみ難いかと思いましたので、該当部分を、
 切り取ってみました。
 この下記拡大図をみればわかりますが、少なくとも、ウファからサマーラまでは
 幹線が走っていることがわかります。
 ちなみに、物語中盤で、オリジナル・ヒューマンこと第七管区民や
 ルナ達を拉致して研究所まで運んだ巨大列車は複線×3(6列)の大編成でした。
 
 あの世界の鉄道がこれに準ずるものとして考えると、少なくとも支線を建設すれば、
 この巨大な砲を列車砲仕立てにすれば移送できるでしょう。
 でも、よほどの対策をしないと、ブライ達のロボット偵察兵に見つかって、線路ごと
 破壊されてしまいますので、上條将軍の主力相当の護衛か、あるいは偽装などの
 カモフラージュやデコイ(おとり)などの工夫が必要になるでしょう・・・ 







K:  あの世界ってどの位汚染されているの?「ナウシカの腐海並」って本当?
   東博士の新造細胞理論って,ミドリの公害病も治療出来るの?
   だとしたら,ルナは,もし頭撃たれなくてもいずれは公害病で死んでたはず
   だから,新造細胞取り込めば、ある程度自己修復が利くのかな?





  あの世界の汚染度合いを直に表すシーンはありませんが,化学・生物兵器・核兵器は使用されたと
  思われます。
  逆に言えば,科学技術,特に電子技術や核を運ぶ運搬技術であるミサイル技術に劣る亜細亜連邦
  が,ヨーロッパ連合に勝てたのは,手段を選ばないこれら毒ガス,汚染細菌,核爆弾の砲弾や航空機
  からの投下を行った為と推測されます。
  
  また,重工業を興すのにも公害対策より軍事優先で,重金属など垂れ流し,汚染煤煙の放出当たり前
  の生産体制だったでしょう。
  ですから,激戦区は人が居られない程,かなり汚染が進んでいたはずです。

  東博士は,私たちの言葉で言う「ES細胞」に似た「新造細胞」理論を提唱していますが,
  おそらくは,体の痛んだ部分を本人の体細胞から抽出した核を,新造細胞によ移植する
  ことにより製作した「拒絶反応を起こさない」体の各器官と入れ替えたり,これを発展して
  体の損傷細胞を,何らかの手段で指揮命令伝達物質で制御した「新造細胞」そのもので
  置き換えることも視野にあったかと思います。

  この理論が実現すれば,当然ミドリも,ルナの公害病も治療出来たはずです。
  それは,実際には稲妻モノリスの働きによるものでしたが・・・・




L:
もし,ブライが亜細亜連邦の軍人社会に打ち勝っていたら,どうなっていたの?


これについては,ある方の意見が参考になるかと思いますので引用します。
(一部文体など補筆・統一しています。御了承下さい)


みやさん


亜細亜連邦は選民思想に基づく支配階級と被支配階級があったというのは判ります。
そしてたぶん、天皇を神とする戦前の日本のような考え方も生きていたと思われます。
(ゆいさんのサイトでも,その辺詳しく触れてたしね)

でも宗教として考えたときに、例えば今のキリスト教徒やイスラム教徒のような感覚で
神(神道)を思っているかというと疑問です。

日常生活がすでに戦争に支配され,
今の私達とは全然違うものであるようですから,余裕もない。
そう言う状況で人は何をどう思うのかなと。

映画本編でブライとの最初の戦闘の後,鉄也とルナが,
子供達に石を投げつけられるシーンがありましたが,
(ちょっと唐突な印象もあるんでしが)
結局、亜細亜連邦の臣民達にとって,これ以上自分たちの生活を脅かしてくれるな、
という意味しかないのかなと思うのです。

生活を良くするために国に対して民衆が何かする意欲はない、現状維持が精一杯。

だからそれすら脅かすものは,新造人間だろうとキャシャーンだろうと同じなのかなーと。
だからもしかしたら普通の人たちは,自分たちに影響が余りない状態で,
たとえば支配階級だけが新造人間になっても受け入れるんじゃないかと。
そんな気もちょーっとしたりするんでしが、どうでしょう。

ブライはやり方次第ではうまく亜細亜連邦を支配できたのかもしれません。
人民の支持を得るという方法を選択できれば。

疲弊した一般市民にそれを言うのは酷だとも思いますがね。
あの世界ではもうずっと長く戦争しているわけですし、
ある意味でどこかの国のようでもあるんでしょう。

そこで皆に立ちあがれというのは簡単だけど、じゃあ自分は?と言われると苦しい。
結局、普通の人たちが例えを挙げれば新造人間をどう認識していたのか、
「新造人間に襲われる自分たちは」に亜細亜連邦という国をどう認識していたのかとか、
知りたいと思います。

 参考 ( 小説版P150よりブライの言葉 :抜粋) 

 「私はミドリの愛情と,仲間の幸福そうな死に顔ゆえに人類を赦そうと思う。 」
 「だが,今の人類は破滅に向かうのみ。選ばれた者が適切に人類を
 コントロールするしかない」
 「そして,その選ばれた者とは,我ら新造人間なのだ。 鉄也よ。お前はもう人間では
 ないのだ。私の言葉に耳を傾けよ!」
 「鉄也よ。私を倒せばそれで戦いが終わるのか? 平和に暮らせる世界が来ると
 いうのか? そしてそこにお前の居場所はあるのか?」
 「人間が人間である限り,人間にとって幸せな日はこない。 鉄也,人間はな,人間殺しが
 好きなのだ。」
 「管理されない限り戦争永遠に続く。それとも,お前が戦争を止められるというのか?」
 「鉄也,私と共に戦え。私と共に世界を造り直すのだ,お前も私も,もはやお互いしか
 仲間はいない。 我々は世界で二人きりの存在なのだ!」
 


ゆいさん

鉄也が果たしてそんな状態になった場合,ブライの許に走ったかは,
私は難しいかなと思います

ブライは鉄也を弟(のようなもの)であると言ってましたが,鉄也本人は父である東光太郎
に対してコンプレックスと恐怖を持っていたようです。

ですから,同じ東博士を父とする兄弟という発想には拒否感を持っていたはずです。
ブライそのものに親近感があっても,東博士こと父親を介して考えられると,拒否してしまう
とか・・・

少なくとも誰もが平和で平穏な暮らしが出来る王国を築くというブライの「思想面」には興味
を持つ可能性は少ないでしょう。
私は彼の行動をこのように推定します。

1.亜細亜連邦にも戻らず,第七管区にも定住せず,自分が納得するまでルナと諸国を放浪。

2.それで納得できればブライの許に来るし,出来なければ,又は父東博士とブライが結託
 する状態であれば彼等を倒そうとする

そんな選択をするような気がします。

ただ,そのような場合は,ミドリはたぶん新造細胞で復活している可能性があるわけで,
鉄也のジレンマは深く,2の段階でも状況や,ミドリやブライの言動で行動も変化しそうな
彼の性格からみて,どちらを選んでもおかしくないかもしれません。

みやさん


鉄也のトラウマって結構根深そう。
無抵抗の民間人を、上司の命令とは言え自分の意思で
(と言っていいのかは別としても)殺してだしからね。

自分が新造人間になってしまったことについての鉄也のコメントって
小説版とかにはあるんでしょうか。

鉄也の内面もちょっとわかりにくかったかも。
鉄也が復活してから、ある意味まともな頭で戦ったのってバラシン戦でしよね。

サグレーの時も、ブライの時も、頭ぶっとんでてまともな思考力で戦ってないし。
パーサーカー状態?

あのスーツが脱げないという現状とか、一度死んでいるという事実や、ブライ達と同じ存在だとか、
そういうことについての葛藤ってしてなかったと思うのでしが、どうでしょう。

 参考 ( 小説版P40より鉄也考えを示す地の文:抜粋)

 「実験室から逃げた新造人間達は鉄也の母をさらった。鉄也は母を取り戻さねばならない。
 たった一人の母を」

 「だが鉄也は会ったこともない新造人間たちに対して敵意を抱けなかった。母を誘拐したといっても
 敵意があったわけではなく,逃げるために必要だったにすぎないのだから」

 「自分が,此の世に生まれて最初に経験することが仲間の虐殺と,自分に向けられた敵意というのは
 どのような気分なのだろう,と鉄也はぼんやりと考える。

 そんな相手と果たして自分は戦えるんだろうか・・・もしできるのなら,ルナと静かにどこかで暮らしていきたい」

 「夢の中で鉄也は戦いもなにも知らぬ小さな子供として,ルナと無心に遊んでいた。
 父も母も優しい笑みを浮かべていた・・・・・・」



 小説版 P67より

 鉄也がぼんやりと言う 
 「生き返らなければよかった」
 「私を残して?」
 「あ,いや,そういう意味じゃないんだ。ごめん。君とはずっと一緒にいたい。
 今の俺にとって,世界と言えるのは,ルナ,君だけなんだ」
 「他の人は?こうやって無意味に殺されている人たちは?」
 「わからない。可哀想だと思う。けど,だからといって俺が何かをしなければならないんだろうか?
 この,たった1つの命を捨ててまで守らねばならないものなんだろうか?」
 そう言った後,鉄也は自嘲的な笑みをこぼした。
 「一度は無くなった命だけどね」

 ルナが,不意に鉄也の頭をきゅっと抱きしめた。ルナの柔らかな胸が優しく鉄也の顔を包み込んだ。

 同じくP90より(サグレー戦・上月博士死亡後の心境)

 「ルナ,俺はわかったよ,俺は彼等と戦う為に今の姿になったんだ。そしてそれは新造細胞という
 ものを作り上げてしまった父さんの贖罪なんだと思う。 だから,俺はやる,このたった一つの命を
 賭けてね。俺は俺がやらなくて誰が彼等と戦えるというんだ。だから俺はやる」

 ルナの愛した鉄也は少しだけ意志が弱くて,そしてその分優しかった。
 でも,今目に前にいる男は強い意志を持った一人の男だ,鉄也の持っていた少年っぽさが消えて
 自分の知らない男になっている。自分の意志で敵と戦う戦士であり,ルナを置いて旅立つことも辞さない
 強い男だった

 ルナの愛した鉄也はもう此の世にはいないのだ。
 ルナは改めて思う。そして目の前の「男」に愛ではなく,恋をした,
 どんなに強くなろうとも,鉄也はルナの感情の小さな変化に気づくことは出来ない。
 
 結局,男は女の気持ちを理解することなど出来はしないのだ。
 いい意味でも悪い意味でも。
 
 ルナは言う
 「さあ,行きましょう」
 「どこへ?」
 「どこでもいいわ,どこかにある私たちの居場所へ」
 
 ルナは力強く応えた。

 
 
 <汚染の森で 小説版P115-P116>
 
 ルナ
   「お母様は戦争が嫌いだった。どんな理由であれ,人と人が殺し合うのは許せない。
   それで満足するのは男だけだって・・・・・・」
   
   「あの鉄の軍団と戦っているとき,鉄也は楽しそうに見えたわ。少なくとも私にはそう見えた。
   ねえ鉄也はは,あれで満足した?自分の恨みを吐き出せた?」
   
   「・・私はどうすればいい? お父様が殺されたときも,私はただ震えているしかなかった。武器を取って
   誰かを殺せば,この悲しみが少し癒える?」
 
  (中略)
  
   「
でも,あなたは戦っているじゃない。戦争だって行ったじゃない,私のことなんて・・・・置いていったじゃない」
 
  鉄也
   「ああ・・・そうだな。ごめん。でも,ルナ,君は戦争がどんなものかを知らないんだよ。
    俺も・・・知らなかった・・・俺が間違っていたんだ・・・(涙ぐむ)」  

   


ルナと諸国放浪はたぶんルナが持たない気もした。

東父とブライはたぶん結託できないでしょう。
あの二人の間には、東親子以上に深くて幅の広い溝があるように思います。
東父はもうミドリのことしか頭にないしね。
ルナさえ殺せる狂気がいつから明確に表面に出てきたのかよくわからないけど。

東父はブライをどう認識していたのか。
ブライが復活してきて見つめあってるシーンで、
彼は新造細胞の起こした奇跡に対する歓喜で満ちていたのかなぁ。
嬉しそうな顔だったよねぇ。











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