1: 今から30年近く前,亜細亜國と欧羅巴(ヨーロッパ)連合は開戦したものの,
  まだ局地戦で留まっていた時代。
  中立だった露西亜國にヨーロッパ連合に与する1人の財閥主がいた。
  彼こそが,ミドリの父親であり,巨大な軍事産業を牛耳り,
  ヨーロッパ連合に武器を供給していた。

2: その頃,外地の出身故に亜細亜臣民の下層階級として運命づけられ,
  差別の中で学究の夢を持ちながらも,亜細亜國帝国大学への夢遙かに
  遠く,悶々と生物研究所の下働きとして働いていた東光太郎
  (当時17歳)は,ある日そこで露西亜國から交換留学生で来ていた
  ミドリと出会う。

3: 夢を語る東青年に惹かれるミドリ。
  留学生として来る以前は,深窓の令嬢だったミドリは彼の口上と熱意
  に負けてしまい,やがて一夜の情事の果てに身籠ってしまう。
  それが後の一人息子,「東鉄也」であった。

4: 本国の父母は事態を知って激怒するが,遠い亜細亜國でもあり,
  立場上も今更闇に葬り去るわけにもいかず,彼等の関係を認める他なかった。

  ミドリを露西亜國の実家である城に二度と戻って来るなと勘当しながらも,
  彼女の父親は,やはり世間一般の「一人娘の男親」であった。
  彼女に莫大な財を与え,その父の財力・政治力を持って東青年を
  特例により,下層階級から名誉臣民として亜細亜側に認知させる。

  さらにはミドリ(東)邸兼・研究所を建設し,娘に入り婿『東 光太郎』
  ( KOTARO AZUMA ) を迎え、法的には亜細亜國での立場を考え、
  夫の東姓として籍を入れ,家の面目を保つことにした。
  東博士は妻(入り婿)の七光りと未だ陰口を叩かれながらも第一管区にある
  東都(あずまみやこ/とうきょう?)の帝國大学に入学,
  望みとした理論生物学の分野で研究を開始する。

5: やがて,亜細亜國は欧羅巴(ヨーロッパ)連合についた露西亜國にも
  攻撃を開始し,ミドリと実家の関係も絶たれてしまう。


6: 露西亜国土での欧羅巴(ヨーロッパ)連合と亜細亜連邦の戦火は
  ますます激しくなり,ミドリの父親は,もし娘に万が一のことがあれば,
  夫を捨てでも私の許に来るようにと,要塞化しつつあった居城の鍵を渡す。
  しかし,なり染めがきっかけとはいえ夫を愛してしまったミドリが,
  亜細亜國を出ることは無かった。

7: 父が籠城していた城は,もともと要塞ではなく城であり,かつ新兵器
  のロボット兵の開発・先行生産工場であった。
   だが,亜細亜連邦の特殊工作部隊が扇動した工作員により,
  労働者が反乱を起こし,結局生産中のロボット兵は一体も稼働することなく,
  城主であるミドリの父はその工作員に腹を刀で突かれ命を落とす。
 
   彼等は城を出て労働者はその経験を,技術者は自らの研究技術を
  高く買ってくれる國を探して各地に散ったが,その大半は戦火の中で
  絶命し,工作員もまた戦火の中で死亡,図面や技術が亜細亜連邦に
  渡ることはなかった。

8: この前後,露西亜國から脱出したルナの母親が亜細亜國に移住し,
  上月博士と結婚することで迫害を免れ,その間にはルナ(留奈)が
  出生,鉄也と幼馴染みとなる。

9: こうして流れは映画本編の時代へとつながり,ブライが城に入る時に
  持っていた鍵の出所もミドリが父から受け継いだ形見であることが
  明らかになる。


  −そして時は流れ,新造人間達と稲妻モノリスの物語へ−







 映画キャシャーンはもともと編集段階で4時間余りの尺を持つ作品だった
 と聞きます。

 (キネマ旬報・海外情報サイトから)

 もっとも、それがほぼ完成した作品だったのか、それとも単に役者の
 スクリーン演技カットのみで、CG等背景のマット合成・各種効果は
 全くあがっていない代物だったのかは現在のところ、まだわかりません。

 けれども、当初惨敗と言われた動員数がペイラインまで上った今、
 DVDを出されるときは、せめてコレクターズボックス(豪華版)位は、
 たとえ二部構成にしてでも、本来の尺のストーリーを観てみたいと
 思うのが人情です。


ここでは、映画を観たファンの皆さんの意見を元に、カットされた空白のシーンを
想像で補ってみます。



  そうなるとカット最有力候補はバラシン(要潤)戦→
  鉄也謎の稲妻モノリスで研究所にワープ→ブライが研究所に母船で乗り付け再登場
  の間だな。
 
  だってあそこ編集でごまかしてるけど繋がってないよ。
  テクスチャなしのCGがそういった演出/効果があるのはけっこうですよ。

  安いハリボテが宇宙船に見えようが、1年かけたCGの宇宙船がちゃちくても、それはそれで。
 
  話の要はあとから4時間バージョンを変更、編集、されたとなれば、最初から撮る予定だった
  セット、CGより、かけれれる日数が物理的に少なくなる。

  だから編集して調合性が悪いシーンをピックアップした時、その前後に日数のかけてないCGが
  あるとすればあとで付け加えた可能性が高くなる、とただそれだけ。


  整合性と言えば、 

  哲也のブースターでブライ&哲也空中へ −> 「なぜ生きている」 −> 
  哲也吹っ飛び −> 壁激突

  で瓦礫に埋まってる哲也をルナが介抱するシーンになるが、あれも唐突すぎる。
  ブライを堂振り切ったのか説明されてないしブライの本来の目的も語らずじまい。
  そこで尺が少し必要だがどこが必要か?
  ブライ戦(CG部)の最後にそうした重要なシーンがあったのではないか?
  
  根拠はBGMの尺にちょっと及ばなかったから。
  ほんとにちょっとだけど。たぶんあと数秒分で完成だったのでは
  ないか。残りでなにを描いたのだろうか。

  1.残ったツメロボ一掃しつつブライの追撃を逃れる
  2.ブライサイドの都合でブライ軍?が撤退して追撃を逃れた

   こんなところだろうと思います。
   1.は保留。
   パッと思いついたのは
   2.のほうでサグレーが負傷していますから
   
   アクボーンがその旨をブライに伝え、ブライ撤退としても不自然ではないと思います。



仮説その1(当初の4時間版はこうだったのかも???)

第一部は首都陥落と共に研究所の赤い培養液を巡る上條将軍側と新造人間達の攻防戦が
繰り広げられる。

ツメロボ゙のCGは、いずれも首都を陥落すべく行進したものと説明するしかないアングルのみである。
上記仮説によって画面を構成した場合、これによって得られるメリットは次のとおり。


・上条息子のクーデターに至るドラマを描ける。

・ツメロボ輸送艇でなく、行進をさせてる理由が明快になる。ブライ自ら乗り込むに値する作戦である。

・上条将軍の「顔面石」陥落は非常にシンボリックで序盤に出すのは不自然

 * 根拠は2つ

  (指導者の像が崩れるのは 戦争のディティールに凝ったスタッフなら、最後の
   クライマックスに使うはず)
 
  (CGレベルは最高のものであり、核になるストーリー上に「顔面石像」の陥落イベント
   が位置していたのを意味するのでは???)


・ツメロボ゙戦のラストでブライは哲也を知る。 
 それまでは部下の報告で聞いてるはずなのにである。
 これは報告の「白い人物」が哲也であると知らないためではないか?
 研究所の攻防でブライに吹っ飛ばされた哲也は研究所の壁を突き破り、
 赤い液のある部屋に倒れる。
 ブライは、哲也が生きている事と自分の存在を「赤い液」と結びつけ、
 哲也を拉致、母船で城に帰還する。

・一方、混乱した上条総帥は国と新造細胞の天秤にかけ、国の将来ではなく、新造細胞を取る。

 上条の息子は悟る。
  「父は国の医療ではなく、自らの延命のみに国民を利用していた」

  急速に冷えこむ上條親子の父子関係。


ここで、脚本の核に近いイベントは

1.セットが組んであるシーン
2.CGのレンダリングの完成度(赤いレンダリング、岩などの演出も考慮に入れる必要アリ)

逆に変更後のイベントは
3.CGの完成度が低い。 CGのモデルのアクションが辻褄が合わない。
4.セットがCGで覆われている

補足
1.は不可逆。つまり、セットを作ってセットを壊すような流れは後で変更が効かないので。例。ブライ城  の陥落は予定調和。
3.別のシーンで使われる予定のCG。これはアングル、完成度、プロットのバランスから判断。 
4.上月博士の死亡場所はホントは実セットで別の場所の予定だった? 完成稿だと上月邸になってい  る。
  これは条件2と相反する。すなわちツメロボがからんでいるので変更が聞かないのだ。
  ならばなぜそのような結論を?
  ブライ戦におけるイベント合体(つまり2以上のイベントを統合したイベントに編集)
  による説明を試みた。
  それを説く鍵は
  「作戦会議シーンを実は何度も撮っている」
  「サグレーの作戦と実際に劇中で行われた作戦の数が違う」のふたつ。

   話が分散してるが、要はこれらを統合すると4時間バージョンが浮かび上がってくる。
   4時間っていう特殊な数字も二部構成の考えに根拠足りえる数字なのも助かった。
   普通は2時間○○分とか 3時間っていうのに、きっかり、4時間だから。
   山場がふたつあって、それが重複してるというのもすごいヒントになる。
   BTTFの1,2ってのは未来と過去を同じセットでとって、イベント違いで
   最後、ワープだからね。 おなじこと



前半の削られたのではないか的イベントは

1.アテナイ地方その他の学者拉致イベント
2.上条一派の脱出劇

1. このへんが2時間バージョン(上映版)には描かれていないのでまず思いつく。
  と同時に完全にカットされてるので 、想像の域を脱しない。
  弱い根拠として地方と具体的な人数が言及されているところ。
  脚本が変わるにつれ、初期稿にあった初期の戦闘のイベントが
  短略化・統合化された名残ではないか。 
  ちなみに名残としては、サグレー戦と上月博士拉致、
  および上月博士の死亡イベントが3ついっぺんに起きているが、
  いささか忙しすぎると思うのは私だけか?

  初期においての別々のイベントが 統合化されたものと見るが。

2.
  上条一派の脱出劇についてはいちばん簡単な根拠は、
  「息子のクーデターの際、拘束されたから」
  
  だから当然、出てきたところも撮ってあるはず。たしかにそう。
  そうなのだが、それでは想像を脱しない。
  ここで画面のコストを考える。
  上条息子のクーデターのシーン。 いささか1シーンのためだけには
  あまりにも役者が多い。 

  上条親子、他の議員?3人。給仕する女性2人?、ミッチー、東博士。
  息子の部下3人。 これ群集シーンでなく全て役者つき。

  これをあのシーンひとつのために朝から呼び出すのか?
  上条総帥、息子、東博士、ミッチーはまだしも議員3人はもったいない。
  あの面子をそろえたのは別シーンも撮るためじゃないのか?

  1部後半の政治劇。軍部がゆれ、上条総帥の影響力が弱くなるところ。
  これは他の議員の演技も無くては表現できない。
  もっと端的に言うと、
  あの場にいた役者でひとつドラマが取れてしまうほどの人数だからだ。

  老議員と息子ら一派での新造細胞をめぐる議論も撮れそうだ。
  息子と上条のシーンが撮れる。息子の説得シーンでも入れられるじゃないか。
  新造細胞をめぐって、若い者と老いた者で解釈がずれてゆく。
  あの日の撮影日を逃していつ撮ると言うのだ。

  実際、息子+部下がクーデターの終焉を迎えるシーン。
  あれはこの日に撮ったに違いない。
  では老議員のカットされたシーンはどうであったのだろうか?
  あるいはどう撮る予定であったのか?
  上条総帥の脱出シーン。
  ブライの首都襲撃の際に逃げた、ととっさに思い浮かんだが、
  これはどうか?老議員はいずれも脱出途中で死亡。
  ポートにある総帥専用艇に乗り込むシーンもあったのかもしれない。


 別の方による本来の二部構成の予想です!


こんなかたちだったのではないかと・・・・


第一部 

  序章〜新造人間の誕生〜ブライ達の逃避行と城を見つけるまで〜(サグレー戦)〜
  哲也・ルナ第7管区逃亡 〜ルナ治療〜帝都(研究所巡る)攻防戦(ブライ戦)〜


第二部

  汚染地区〜ミッチーの母の出生エピソード〜上條将軍と息子の対立〜
  上條息子クーデター〜バラシン第7管区へ・老医師拉致〜バラシンvs上条息子

  731部隊よろしく人体実験〜ブライ鉄也を拉致〜上條息子、ブライ侵攻〜
  息子のクーデター失敗〜大決戦 東博士と鉄也との対立 


  
はじめまして。
【質問】
上条将軍「ミキオ・・・私がお前に電話しているということが、どういうことか理解できるな・・・・」

上条中佐「また貴方が汚い手を使ったとういうことでしょう」


とあるんですが、「汚い手」とは何を意味しているのですか?
断言されて無い以上は憶測でしかないのですが、皆さんの意見をお聞かせ願いたい。


<執事の言を借りて解答>


軍人でもあった上条ミキオ殿は大亜細亜連邦を憂い、老害で先行きの見えない国の将来を案じてクーデターを起こし、父将軍様と取り巻きの老人達をを失脚させたのであります。

坊ちゃまは、その一方で儒に厚い忠孝を大事にする方でしたから、父親をあの世に送ることが出来なかったことが悔やむところでした。


父将軍殿は、ああ見えて祖国が核で壊滅した後、亡き天皇陛下に代わり露西亜に逃れた皇族方の支持を取り付け、帝都のトウキョウから緒錬振瑠玖(オレンフルク)への遷都を成功させ、我が大亜細亜連邦を最終的に勝利に導いた方です。

悲しいことではありますが、坊ちゃまよりも、遥かに政敵を相手とする権謀術策は鍛錬されておいででした。
坊ちゃまが、幹部を引き連れて新造人間共の反乱に出かけた後、父将軍殿は、あらゆる手を使って留守組の一部を買収し、幽閉先から脱獄したのであります脱獄に成功した後、父将軍殿は殿上に恭順する幹部を再結集したのであります。もちろん、買収に使ったミキオ坊ちゃまの裏切り者は消したのは父将軍さまのいつもの口上であります。

こうして再び実権を取り戻された父将軍様は、新造人間共の製造の真相や実体が臣民にほとんど知られてないことを利用して、彼らはミキオ坊ちゃまと東博士が作ったことにしたのであります。
こうすれば、ミキオ坊ちゃまは義に厚い若き青年将校ではなく、単に自己の失態を尻拭いするに急いだ青二才とのイメージも植えつけられましょう。
ミキオ坊ちゃまは、父上のそんなやり方が許せなかったのでしょう、これまでも何度も手を汚した道を「また」歩むのかと。

しかれども、諸行は無常であります。過去の天帝が不老長寿を以て権力の永遠を願って遥か西域まで使者を差向けて伝説の薬を求めて果たせなかったように、「権現様」も、結局天命には勝てなかったのでした。

父将軍亡き後、欧州連邦の宣戦布告や、第七管区の者共のテロ、公害病で疲弊する臣民の姿を見るにつけ、わが邦は、本当に終末に向かっているのではないかと。


そう考えると、御嬢様の世話をはずされ、公害病でもう老い先長くない執事の私めもあの伝説を信じたいという心境に最近になり立されております。
あの事件の後、天に昇る不思議な光が目撃された事にまつわる第七管区の民や、臣民達の噂を、私めも最近になって信じたい心境になりつつあります。
信者の云う「キャシャーンとか云う守護神の導き」により、「光の柱」と共に天に召されたミキオ坊ちゃまの魂は、きっとたどり着いた新天地で、善き臣民達を治めて、母上様と幸せに暮らしていると、かの地の宗教の信者の者達の信仰を、私もこの身を終える間際までには、この苦しい息の下から、今一度考えてみたく思うのであります。