クール
パルス
ブライ
アルパ
守護神キャシャーン
Brai is ancient guardian casshern
casshern
サガラ
ここでは、かつてユーラシア大陸のはずれにあった
侵略国家「亜細亜連邦」が「第7管区」と呼ぶ地に居た
先代守護神「キャシャーン」の名を受け継ぐ、
もう1人の者「ブライ」についての考察を行います。
冒頭の雪山での脱出行のシーンである女性の新造人間
(鶴田真由さん?)が死ぬとき、ブライの手を握ろうとして,
でも,ブライはそれに気づくことなく,
立ち上がってしまう・・・
あれは過去の記憶の残滓なのでしょうか?
でも彼の記憶はそれ以上蘇ることはありませんでした。
切ない話です・・・
まず、なぜ私が「ブライ」のことを、
スクリーンの向こうの私たちには
本当の名も知らされぬ土地、
亜細亜連邦の支配地域「第7管区」の
伝説の守護神「キャシャーン」の名を継ぐものだと
感じたのかを語っていきたいと思います。
まず冒頭、稲妻の基となる伝説のキャシャーンの像の
表情や容貌に注目!ブライ様に似ています。
あの稲妻が「モノリス」や「イデ」のような超越的な意志
だったとすれば、作品全体の中で新造人間達が生まれた
経緯を観ても彼等はまさにあの名も示されない民族・地域
の人達の守護神としての役割を期待されたのでは
ないでしょうか?
結果は悲劇的でしたが・・・
そして第2点、あの有名な「キャシャーンがやらねば・・・」
を予告編で語ったのがブライ唐沢氏であったこと。
監督は暗示的ですが、明確に
「真のキャシャーンは誰であったか?」
を示している気がします。
あの城の中にあったロボット達は誰が造ったのか?
ブライ達新造人間特有・又はオリジナル・ヒューマンの
「何らかの要素」に反応して稼働したようにも見える描写。
謎は尽きないです。
「あなたは、なぜそんなに人に優しくできるのですか?」
ラスト付近でミドリはブライに呼びかけます。
「あなただって、きっとできるはず!」
しかし、ブライは憎しみから産まれこれを解放する
ことができませんでした。
こうして最終兵器のスイッチは入れられて
しまいます。
緑を育む彼女との約束を果たそうとしながらも、結局は
憎しみに突き動かされる自分の無力さを感じて
彼はあの植物の芽の息吹く部屋
(玉座に向かって右側の部屋への鍵)
をルナに託したのだと、
私はブライの無念さに涙を禁じ得ません。
「許せミドリ・・・・」
私的にいえば、戦争とは「弱者」を
苦しみと哀しみの渦に突き落とし、
身体を損傷させ、精神をむしばむ
組織と為政者の歪みの形だと
認識しています。
ここでいう弱者は
肉体的、社会的、地位や門地
その他様々な人たちです
ブライは亜細亜連邦が勝手に名付けた
第七管区に住む少数民族という弱者
そして彼の妻や子も又、更にの階層の
下にいました。
彼が新造人間として復活したとき、憎しみ
がその原動力になったことは想像に
難くありません。
けれども、凡夫のその憎しみを超えられない
心がまた悲劇を生む悪循環を、
ブライには超えて、いや今一度超えようと
試みて欲しかったと思うのは
私だけでしょうか?